東瀛七侠暴れ旅(なんやっちゅーねん!)

この旅は日本武侠迷として初めて(?)聖地・桃花島へ踏み入れんとした七人の好漢女侠と、
タクシーのおっちゃんをはじめとした中国で出会った暖かい人たちの冒険大活劇である!(ちょっと違うかもしれない…)

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東瀛七侠
空心菜双侠(空心菜姑娘&弟弟小侠)-関東
魯達兄弟、白狐兄弟、林姑娘、えまの姑娘、八雲慶次郎-関西
2005年1月9日 第五幕
 この日、東瀛七侠の朝はとくに早かった。5時半には起床して6時にはロビーに集合した。
 ホテルのレストランは6時15分に朝食を用意してくれるように頼んであった。ホテルの人はそんなに早く行かなくても間に合うからゆっくりしていけ、と言ってくれたが何が起こるかわからないのが今回の旅である。最後まで油断は出来ない。
 朝食は20元で出してくれるが、前日我々は急ぐので包子などの簡単なものだけでいいと、量を増やせというのはあるが減らしてくれなんていう客は初めてだ、といわれた。
 そしてでてきた朝食である。

左・餡なし 右・ゴマ餡貝らしい

めっちゃいっぱい。
 包子が4種類、カップケーキに白粥と漬物など。目玉焼きに牛乳と盛りだくさんだった。
 心づくしの朝食に満足し、食べきれない包子を懐にしまい、名残を惜しみつつホテルをでた。
 待ち構えていた乗合バスにのりこみ桃花島の港へ。
 沈家門行きのチケットを各自買い求め、7時の出発を待った。来た時は「桃花島号」だったが、帰りは「金庸号」である。
 せめてもう一日とどまりたいという思いをこらえて船に乗り込んだ。ついに桃花島との別れである。
 寂しさをまぎらわすため船内で上映する映画をみよう。
 ユンピョウがみたい!!
 見られなかった…。なんか現代物をやっていた。きっと桃花島にいく船では武侠物を上映して、桃花島から離れる船では他のものを上映するのだろう、と勝手に決めた。

 船は順調に沈家門へ到着。すぐさまタクシー2台に分乗して普陀山空港にむかう。
 普陀山空港は、沈家門のある舟山島ではなく隣の朱家尖という島にある。舟山島と朱家尖には大きな橋がかかっているので車で移動できるのだ。
 タクシーで移動を始めると、沈家門で泊まったホテルの周りとは大違いの都会に入った。いいホテルというのはきっとこの辺りのものだろうと思いながら街を通過し、橋をこえて順調に空港へと到着した。
 
前情報では、9時の飛行機をのがすと夜まで便がないというものだったが…9時の前にもあるし後にも…。まあ無いより有るほうがいいわけなので気にしない。一つ前もあったが予定通り9時のに乗ることにする。
 が、聞いていたより値段が高い。なんだかんだと一人500元(約6500円)とられた。ぼったくりだと思ったが、スムーズに上海に戻るためと我慢する。
 普陀山は中国四大仏教聖地のひとつです。
 山西省の五台山の文殊菩薩。四川省の峨嵋山の普賢菩薩。安徽省の九華山の地蔵菩薩。そして浙江省の普陀山の観音菩薩です。仏教よりも武侠がらみで思い浮かべてしまうのは武侠迷の性でしょう。
 このあたりに来る人は、桃花島ではなくこの普陀山に来るのが普通のようです。
 仏教聖地だけあり、空港内の売店でもそれに関するものがほとんどでした。駐機場の前には旅人を見送り迎えてくれる大きな観音様がいるのが印象的でした。

 そして一路上海へ。…約45分…。もう上海やん!!?
 往路の9時間はなんだったのだろう…とかいってもはじまらないので、次の旅行にいかすとしよう。
 到着したのは上海浦東空港ではなく、上海中心地から西にある上海虹橋空港。浦東空港より市街地に近いこともありホテルまでもさほど時間はかからなかった。
 
 ホテルは前と同じ揚子飯店。違うのはロビーになにか飾り付けがしてあるのと、フロントに日本語を話すスタッフが登場していたことだ。
 彼の日本語はかなり達者で検定試験もうけたらしい。ただ「ちょー」とかつけたりするところが少しあやしい。
 荷物を置いてホテルロビーにいくと、そこには結婚式をあげたカップルの姿が。飾りはこのためだったようだ。
 そして上海での主目的であるVCD、DVD、本などの買い物のため大きな本屋などがある通りへ散歩しつつむかった。
 上海書城という大きな書店に入りまずは最上階で漫画などをさがす。しかし、漫画とかは専門店でないとほとんど置いていないようだ。面白そうなものをちょっとだけ買うことにする。他のものにくらべて本はさほど安いわけではないようで、20〜30元は普通にする。
 下の階に下りると、VCD、DVD、CDなどがすごく広いフロアにかなりの数が置かれていた。
 VCDのドラマ全集とかで120元(約1560円)くらいである。やまほど買って帰りたいところだが荷物に入りきらないだろう…。ちなみに映画のDVDで12元(約150円)だ。
 探したいものほしいものはたくさんあれど、見つけるのも持って帰るのも大変である。そうこうしているうちに時間はお昼をすぎていた。昼食は、一般の観光客っぽく豫園にいってとることにした。途中VCDショップに寄り道しつつしばらくあるくと、しだいに混雑しはじめた。ブランドものの時計やバッグなどを買えといってくる輩も頻繁にあらわれ、豫園付近になると日本人がいっぱい見受けられるようになる。
 まずは食事と定番の店のひとつ「緑波廊酒楼」にはいる。大阪難波の上海新天地にある「緑波廊」にはここから料理人がきたそうな。
 7人ということで上の広いフロアの大きなテーブルに通される。この時はまだ、これからの予定を決めていなかったので観光後おやつに小龍包子で有名な南翔饅頭店に行こうかと思っていたので、注文は少なめにした。
ハムと千切り大根のパイ
水晶蝦仁
 緑が綺麗なので注文したが、枝豆と漬物がよくあっていて美味でした。ハムと千切り大根のパイは緑波廊の名物のひとつ。さすが本家のおいしさです。子えびはきらきらとして美しく味も絶妙でした。
 どれも美味しいですが、これまで食べたところに比べると少々お高いのは観光スポットであり、とくに日本人観光客が多いからでしょうね。


 この後の予定は、予想より時間が出来たということで、夜に上海雑技を見に行くことにして、夕方5時にホテルに集まり、それまでは自由行動をとることになりました。
 ホテルに帰って休息する人もいれば、○○を求めてさまよう人もあり。
 せっかくここまで来たので、私は白狐兄弟と豫園の中に入ることにした。入場料は30元。切符売り場で「一個人(一人)」と言うだけなので言葉に困ることもなし。
 門のところが工事中のようで、仮の門から入る。入ってみると、よくぞここまで凝ったものだとと感心するほど精緻な庭園がひろがっている。
 見逃してしまいそうなところに、いろいろな見所があり、それを発見する楽しさがあった。適当にまわっていたので、それぞれの由来とかはさっぱりだがガイドの旗についてまわっている日本人観光客が多いので、説明を横から聞いていたりした。
 じっくり見て回るとけっこうな時間がかかる。でも上海に来たならば1度見にきて損はないだろう。2回はいらないかも…。でも後から静観大庁という建物の屋根の上に、岳飛の像があると聞いてよく見とけばよかったと思った。


 豫園をでて南に、上海老街と呼ばれる通りにくると、いろいろな店でにぎわっている。私は豫園よりこっちのほうが面白いと気に入った。次はここや日曜なら文廟に行きたいものだ。
 きらびやかな中国服を着た白ヒゲのおじいさんが座っていたり、おもむろにバイクのシートに笛をならべプロ顔負けの演奏をはじめて売るおじさんがいたり。
 1杯1元で八宝粥(臘八粥)を売っているのをみるとつい食べたくなる。
 本屋やVCDショップをのぞきつつぶらつき、外灘近くまできて北へ進路をとり地下鉄に乗って帰ることにした。
 しかしかなり遠かった…。さまざまな街並みを見ながら進み寒さに耐えながら歩くうち、ビルの谷間の歩道橋から東方明珠塔が見えた。今回の旅で、明るい時にちゃんと見たのは初めてだった。

夕暮れの上海ビル群と東方明珠塔
 さらにしばらく歩き南京東路に着く。地下鉄の駅にいく途中、上海の人たちでぎゅうぎゅうに混雑する市場に入りかけたが込みすぎなので退却。
 河南中路の駅から地下鉄に乗る。しかし地下鉄の駅に入るための入り口がわかりにくい。みんな店に通じていて、駅の表示がほとんどないからだ。
 切符は日本の券売機と違い、目的の駅までの料金のボタンを押してから、コインをいれる。(1元と5角のコインしか使えない)そうするとテレカのような切符がでてくる。札しかない人のために、窓口もある。
 上海の地下鉄の駅にも、乗降口の印があるが誰もそこに並んで待たない。そして、電車が着くと降りる人など待たずに乗り込む。ラッシュ時に乗るときは要注意だ。
 2元払って一駅で人民広場駅で降りる。また出口をもとめてぐるぐるまわり、ようやくホテルにたどりついた。

 フロントで例のあんちゃんに雑技の席がとれるか調べてもらうと、7時までに窓口に行けば問題なくとれるとのこと。
 まずはチケットを確保して、近くで夕食をとりそれから見に行こうということになった。
 地下鉄に乗り二駅の静安寺駅で降りる。目的の上海雑技団はリッツカールトンのホテルのところにあるらしい。
 リッツカールトンまで来てみると、でかすぎてどこにいったらいいのか見当もつかない。劇場へとつながるらしいエスカレーターをみつけ上ろうとするも、途中でとまっている。しかたなくホテルのフロントで聞くことにする。
 やたらとある回転ドアをぬけ、フロントにいくとここでチケットがとれるという。公衆電話でやたらとヒートアップしているおっさんを横目に見つつ、100元150元200元とある席のうち150元の席にきめて食事のために移動する。7時にここに戻ってきてチケットを受け取ることになっている。
 どこで食べるか。このホテルに併設されているところでは高すぎてしゃれにならない。
 しばらくうろうろするが時間も無いので、近くの店にいくことにするが店内は満員で外の風よけだけある席しかあいていない。寒いのを我慢してそこにする。
 あとで知ったのだが、この「避風塘」という店は上海における広東風点心の店の元祖で有名らしい。
 しかし、時間は無いし寒いし、頼んだ料理はみな1人前だったので少ないし、店員のにいちゃんはあまりに寒くて歌うしで、カメラを持つ手もふるえピンボケになった。

小龍包子お粥
エビ入り湯葉の包み揚げ(多分)
最後に来たエビ入り湯葉の包み揚げ(多分)はうまかったと思う。全部2つづつたのめばよかった…。せめてお茶が熱ければなあ。

 あわててリッツカールトンに戻りつつも露店にひっかかったりしたが、7時にはフロントに到着した。
 愛想も無くチケットを渡され、さっき動いていなかったエスカレーターへいくと、今度は上へとつながっていた。
 またもや回転ドアをくぐり開場を待つ。雑技とは関係のない土産物屋がならび怪しげな目の光るパンダとかが売られている。そのパンダと見詰め合う外国人男性がちょっと気になったが、開場になったので入った。
 雑技は予想以上に面白かった。手品とかが思ったより多くアクロバティックなものは少なめだったが、それでも満足いく内容だったと思う。軟体芸やイスのバランス技には、皆思わず声をあげた。
 客席から一人舞台に上げられてナイフ投げの的になるときには日本語などもでた。まあ客のほとんどが日本人なので当然かもしれない。
 しかし、ここは200元はらって前の席に行き舞台に上がるのを狙っておくべきだったか…。
 撮影禁止なのでここの画像はないです。が、写真やビデオをとりまくる日本人が多数…。次にいくなら別の雑技を見に行ったほうがいいかなあ。

 雑技を見終わり再び地下鉄で人民公園駅に戻る。夕食が少なすぎたので、皆思い思いに買い物へ。私はまずミスタードーナツへ行く。
 日本で売られているのとほぼ同じメニューがそろっているようだ。(とはいえ日本ではあまり買ったことがないが…)
さすがに飲茶メニューはなかったように思う。上海の飲食店の値段からすると、少々高い値段設定だろう。なぜかスープとかよりコーヒーのほうが高かった。アメリカンコーヒーが12元(約150円)…DVD一枚と同じとは。
 だから飲み物は買わない。ドーナツを3つ買って持ち帰ることにする。
 可可力(チョコドーナツ)4元。香蕉(イーストドーナツのバナナクリーム)6元。岩、3元…岩!?
 持ち帰りの中国語をなんというかちゃんと聞いていなかったのでテイクアウトと言っておいた。
 続いて麦当労-マクドナルドへ行く。空心菜双侠が先客であった。
 マクドナルドもやはり割高である。一番安いハンバーガーで4元である。ハンバーガーは肉の種類ごとに分かれていた。私は猪肉(豚肉)のてりやきっぽいのと、ポテトとコーラを注文。持ち帰る。店員はとてもいい加減…。
 ちなみに可楽(コーラ)、雪碧(スプライト)、芬達(ファンタ)で、汽水が炭酸飲料のことである。
 ホテルに帰還後、さっそくハンバーガーを食べる。まあ普通かなあ。ポテトは塩が効きすぎ。コーラは異常なほど薄い…。店がよくなかったのか?
 ドーナツのほうは普通だったように思う。2つを朝食がわりに置いておいて、休むことにする。熱いお茶でも飲みたかったが、なぜか湯沸しポットがなかったのであきらめた。
 雑技の前に、例のタクシーのおっちゃんに連絡して7時に迎えにきてくれるように頼んであるので6時起きだ。
 この日は、どこかの部屋で騒いでいるのか工事でもしているのかトントンという音がずっと響いていた。気になったもののかまわず眠りについた。中国最後の夜が更けていく…。

 
  第6幕へつづく…。第1幕 第2幕 第3幕 第4幕













































帰りの船は「金庸号」

















普陀山空港。観音菩薩が見守る。





















南翔饅頭店。
階層によりでる小龍包のランクがちがう。

緑波廊酒楼の裏(多分…)



漸入佳境。…というらしい。

1階が仰山堂で2階が巻雨楼。…というらしい。

多分、静宜軒。…だと思う。

通用門。つくりが面白い。

内園の古戯台。










「避風塘」の外の席。
暖房は椅子にしばりつけられたハロゲンヒーターだけだ。






























ミスタードーナツもある。
美仕唐納滋。

























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