東瀛七侠暴れ旅(なんやっちゅーねん!)
この旅は日本武侠迷として初めて(?)聖地・桃花島へ踏み入れんとした七人の好漢女侠と、
タクシーのおっちゃんをはじめとした中国で出会った暖かい人たちの冒険大活劇である!(ちょっと違うかもしれない…)
東瀛七侠 | |
空心菜双侠(空心菜姑娘&弟弟小侠)-関東 魯達兄弟、白狐兄弟、林姑娘、えまの姑娘、八雲慶次郎-関西 |
食事を終えた一行は、次なる目的地「桃花寨」に向かう前に買い物でもしようということになった。なかなかくずれない100元札をくずすという目的だったりする。 例の三叉路に近づくと、さっきとはまた別のバスが止まっていて近づくと話し掛けてくる。 買い物に行ってから来ると言うと、超市(スーパーマーケット)まで乗せていってくれるという。しかもそこまでの料金はいらないと。 お言葉にあまえてバスに乗り込み、桃花島のメインストリート?を進むこと1,2分で超市の前に到着。 なかなかの品揃えで、たいていの物がそろいそうだ。バスを待たせるのもわるいので、飲み物などを手早く買って戻った。 バスは射G城とは逆方向へと走り、桃花島の南東方面の端にある桃花寨へと向かった。途中丘を登りきると長い下り坂に、バスの運ちゃんはブレーキを使わない。エンジンブレーキも使わない…。100キロ以上はでてそうだ。まっすぐで対向車なんてこない道だからできる運転だ。そういや丘の上で、自転車は下り坂危険みたいな標識があった。車だって危険だ。 途中1キロ以上続く美しい砂浜が見えてくる。「千歩金沙」である。この砂浜で郭靖と黄蓉が走ったりいちゃついたり、それを欧陽蜂がのぞいてたりしてたかと思うと! 砂浜を眺めつつ坂道を登っていくと桃花寨の入り口に到着です。 入場料は35元(約450円)。ここは自然の景勝地がいくつも見ることができるようです。入り口を入ると桃の花が!(これも造花ですが) すぐ横から海を見下ろす素晴らしい眺望が楽しめます。左には先ほど車で通り過ぎた「千歩金沙」を一望できました。 見て回るルートをどうするかと考えましたが、まず一番近くに見え隠れする「積翠亭」に行くことに。射G城にも積翠亭はありましたが、撮影に使われたものではありませんでした。はたしてここは…。 むっ、たしかにここは!! この場面で出てきたのと同じだ!! ここで黄薬師は玉蕭を吹き、欧陽蜂が琴をかき鳴らし、郭靖と欧陽克は竹をポクポク叩いてたのだ! ドラマのシーンを思い浮かべながら、周囲を歩いているとたくさんの割れた瓦を発見。これはきっと4人が屋根の上で戦ったときに割れたやつだ!(もって帰ってくればよかった…) 興奮さめやらぬまま地図の道に従って進んでいくと…道がない。またもや奇門遁甲か!? 無理に進んでも足場があぶないので、引き返して地図の南側の道を行くことにする。北側の道は海沿いで凍えそうだから。 桃花峪へと階段を下りていくと、冷たい潮風もさえぎられ一心地ついた。花の季節や新緑の季節にはもっと美しいだろうと想像できる風景が広がっている。 この峪には国民休暇村のような施設「桃花寨休閑村」があり、聞いてみると外国人でも利用できるという。オフシーズンは人影もないが、花の季節や夏などは一杯だそうだ。 宿泊するのはバンガロータイプの客房で、それぞれ登場人物にちなんだ名前がついています。例えば「靖哥院」「蓉兒苑」「東邪府」「欧陽府」など。 ちなみにここでは「蓉兒菜譜(黄蓉の料理)」というのを食べることが出来るという。 蓉兒餐廳(黄蓉のレストラン)のメニュー。ほかにも料理はあるようだ。 料理名には「蘭花払穴手」「頑童臥薪」「東邪故里」などがありどんな味がするのか興味津々だ。 皆次はここに泊まろうと決めた。 客房の中を進むと「神G石」があると書いてあるのだが…。看板のある辺りから見上げると、なるほど神Gのような形にも見えなくもない岩が顔をだしている。しかし、それより左の岩が口をあけた魚のように見えるという話に。とりあえず「金娃々岩」とでもしておくか。 道を戻り、次は桃花寨第一の景勝と思われる「弾指峰」へと向かう。長々と続く上り坂を登りきり、岩山の間から垣間見られるのはまさに絶景! 案内板によると約50メートルの高さがあるという。さらに、黄薬師が弾指神功などを修練したところだという解説に、思わず頂上に立つ黄薬師の姿を想像してしまう。 下は断崖絶壁だ。 この弾指峰、英語名は「Finger mountain peak」というらしい。英語の説明文も「黄という高名な化学者がここで体を鍛えた」みたいな内容だった。いいのかそれで…。あらためて漢字文化の素晴らしさをかみ締めるのだった。 桃花寨のマップにはさらに上に「試剣亭」というものがのっている。ここまで登ってくるのにもけっこう体力を使ったのだが、せっかくきたのだからさらに登る。かなりきつい。 試剣亭というか見晴らしの良い展望台である。ここからは弾指峰の側面を見ることが出来る。横からは指というより壁のようだったが、さすがに絶世高手の軽功をもってしないとたどりつけそうもないものである。 横から見た弾指峰。 剣でもあれば試すところだが、ひたすら見事な眺めを堪能する。先にいった積翠亭も峪をはさんだ向こうの山のうえだ。よく歩いたものだと皆思ったが、そこまで戻らないといけないことに気づくと、一息いれたら元来た道をそそくさと下った。 道の左右にはお茶の木なども植えられている。木を支える竹に潮風があたり、玉蕭のような音をたてていた。 道を下ると今度は海側の道をたどっていく。射G城にもあったがここにも黄薬師山庄がある。 山道を下ってくると黄薬師山庄が見えてきた。 シーズンオフなのでみんな閉まっていた。 シーズン中だとここに「蓉兒茶荘」が開いていてお茶を飲むことが出来るみたいだ。黄蓉のお茶が飲めないので、八卦亭で休憩して持参の飲み物で喉を潤した。 八卦亭の横からもうひとつの景勝地「碧海潮生」に続く道があったが、これもきつい登り…。しかし好奇心が勝りひとり石段を進んだ。思えばこのときすでに、昨日までに消耗しつくした内力をかなり回復していたためにできたのであろう。手袋もいらないくらいに掌に熱気が戻っていた。 茂みの中の道をしばらくゆくと海沿いの岩場に出る。 のぞき込むとその景観よりも音に驚く。隙間に流れ込む波の音が反響して倍ほどにも大きく聞こえるのだ。音に内力がこもっているのではとか思いながら、しばし潮声を楽しんだ。 黄薬師の「碧海潮生曲」に思いをはせつつ来た道をもどった。 八卦亭まで戻ると、記念撮影をすることになり黄薬師山庄の門前でかわるがわる撮影。ここの題字は張紀中によるものだった。 休憩を終え出発。龍珠灘の飛び石をわたり東海神珠を見物。自然の産物とは思えないくらいに丸く磨かれた石でした。 龍珠灘 東海神珠 海岸沿いに作られた木製の通路を渡っていく。 眺めは素晴らしいものの、日が暮れてきたうえ潮風が冷たくのんびりは見ていられなかった。 景勝・海亀巡岸は黒い岩がたしかにカメのような形をしていた。このほかにも景勝地があったが、いまいちどれのことかわかりずらいものだった。 最後の階段をのぼり桃花寨の入り口へ。事務所みたいなところでバスを呼んでもらい、待つ間休閑村のことや黄蓉の料理などについて聞いたりパンフレットを貰ったりした。 バスが到着しホテルに戻る途中に「千歩金沙」に寄ってもらうようにたのむと、なにもない、いってどうする、とか返ってきたもののとりあえず止めてもらい写真だけでも撮ろうと降りる。 夕刻であり曇り空ということもありちょっと残念ではあったが、はるかに続く砂浜は壮観だった。夕焼けとかならさぞ美しかったことだろう。 そのほかの桃花島の見所は行くことが出来なかったが、あと数箇所あるようだ。 定海城は、香港返還記念に作られた「鴉片戦争」という作品で作られたお城があり、こっちのほうか人気があるとか…。 白雀寺は、桃花島のある舟山市と日本の気仙沼市との友好記念の地らしい。240年前に遭難した気仙沼の漁船が桃花島に流れつき救われたというのが起源である。 ほかにも面白そうなところがあるが1日では回りきれないのが残念だ。次はまる2日は滞在したいものである。 ホテルに戻ると食事にはちょっと早いので、夕暮れの街に出かけた。昼にスーパーにいくのにバスで通った道をぶらぶらと歩く。行き交う人も少なく静かだが、ここがメインストリートのはず、だ。 レンタル?VCD店などを横目でみながら歩くと、昼にはいった超市があった。さらに進むと通りの端にもう1軒超市があったのでこちらに入ってみる。こちらも品揃えはなかなかで、江南料理で黄蓉も作っていた「叫化童鶏(乞食鶏)」がレトルトパックになって売っていた。 「紅牛」という飲み物を買った。テレビCMでも見たのでメジャーなものらしい。中身はオロナミンCのような感じだった。ほかにも量り売りのお菓子などを買って帰る。「長鼻王」とか「脆脆棒」とか適当に名前だけ見て買った。ちなみに「長鼻王」は袋の絵からするとピノキオらしい。 帰り道はメインストリートから外れてみる。市場らしきところに入るが、もうこの時間に開いている店はない。おばちゃんが道の真ん中で、だらだらこぼしながら歯を磨いていた。ちなみに中国の歯ブラシはブラシがでかい。 次の通りにでると、薬屋や医者がありインターネットカフェもあった。だが多いのは美容院。10軒以上あったかもしれない。日本とかわらないようなところもあれば、椅子がひとつだけあって奥がなんなのかわからないようなところもある。中国版の風俗店の可能性もあるかも。 一回りしてきたが本屋が見つからなかったのが残念だ。もしかしたらないかも…。 ホテルにもどったら夕食だ。昼にも行ったレストランにいく。 最初に来たのは虫か?と思われたが蝦蛄でした。今回は炒飯ではなく麺を頼んでみる。太い麺はなかなかコシもありうまい。シンプルなジャガイモの炒め物も美味。 鍋は「酸なんとか鍋」でよくわからなかったが注文した。酸いのかと思いきや小さな唐辛子もたくさん入ってスープはかなり辛くてのめない。しかし、具の魚やすいとんのようなものを引き上げて食べるとほどよい味わいで美味しかった。 最後に大きく切った冬瓜を甘辛く味付けしたものがでた。冬瓜ステーキみたいな感じで、これもまたうまかった。 ここのレストランの難点は、暖房があんまり効かないことだろうか…。 部屋に戻ると、武侠ドラマなどを見つつ明日の予定を決める。明日は6時にロビー集合で朝食を手早くとり、7時の船に乗って沈家門へ渡る。普陀山空港までタクシーに乗り、飛行機で上海に飛ぶ、という予定だ。 問題は飛行機にうまく乗れるかである。それがわからないので、東瀛七侠の朝ははやいのである。 はたして明日も一路順風といくであろうか…。 第5幕へつづく…。 第1幕 第2幕 第3幕 |
桃花寨入り口 桃花寨案内図 桃花寨入り口近くより望む千歩金沙 南側の道を東に進む。 桃花峪へと階段を下りていく。 桃花寨休閑村客房案内図 靖哥院。なかなか広そう。 神G石。神Gにみえるようなみえないような。 弾指峰 試剣亭。というか展望台。 試剣亭から海への眺望。 試剣亭から望む桃花寨。 八卦亭 碧海潮生(潮音洞) 黄薬師山庄と龍珠灘。 後ろの山の上にあるのが試剣亭。 海亀巡岸。亀のようなラクダのような。 千歩金沙 VCDショップのポスター。 風雲2のポスターはなぜかしわくちゃ。 |