東瀛七侠暴れ旅(なんやっちゅーねん!)

この旅は日本武侠迷として初めて(?)聖地・桃花島へ踏み入れんとした七人の好漢女侠と、
タクシーのおっちゃんをはじめとした中国で出会った暖かい人たちの冒険大活劇である!(ちょっと違うかもしれない…)

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東瀛七侠
空心菜双侠(空心菜姑娘&弟弟小侠)-関東
魯達兄弟、白狐兄弟、林姑娘、えまの姑娘、八雲慶次郎-関西
2005年1月7日 第二幕
 東瀛七侠の朝は早い…。
 早くないと何か起きた時に怖いからである。朝6時に起床して、昨日コンビニで買っておいたものなので食事をすませる。
 本来なら8時にバスに乗って上海の南の港に向かい、普陀山行きの船に乗るはずであったが、その港に行っても船はでることはない。
 しかし、ここまで来て桃花島行きを断念するなどということはありえない。前進あるのみ。
 7時前にチェックアウトしに降りると、まもなく昨日のタクシーのおっちゃんが登場。7時には全員がそろい寧波の港へと出発だ。
 しかし不安がいっぱいある。昨日おっちゃんが寧波まで3,4時間で着くような話しぶりであったが、ホテルで地図をみてみるとどう見ても軽く300キロ以上の距離があるような…。
 3時間はムリだろうとふんで、4時間ちょっとと予測し昼頃には港につき舟山へ、沈家門の港に移動して桃花島行きの船に乗り、夕方までには桃花島につけるだろうと考えた。
 しかしその甘い考えを打ち砕く者がいた。誰あろう桃花島主・東邪黄薬師その人であった!

 嘘です。高速にのり快調にとばすおっちゃんを阻むものはないかと思われたが、まもなくそいつは現れた。
 とんでもない濃霧である。
 出発して40キロほど進んだあたりで、視界が猛烈に悪くなり車が渋滞して動かなくなった。何台かの車はバックして一般道へ降りる道へいったが、おっちゃん曰く、降りると2時間以上かかるから待つほうがいいらしい。
 これは黄薬師の奇門遁甲の術中にすでにあるのでは!?とみんなでいいあっていたこの頃は、まだ楽観していたのかもしれない。
 ほとんど霧が晴れず、あまりに動かないので隣に止まっていたトラックはタイヤ交換をしはじめる始末。しかし、交換が終わる前に渋滞が動き始めた。
(後から調べてみると、この日上海南東付近を中心に濃霧が発生し、警報?も出ていたらしい)

 たびたび止まりながらも霧をぬけ、お昼前に嘉興のサービスエリアに到着。嘉興といえば江南七怪!しかし私は例によって、杖をなくした柯鎮悪のごとくへろへろである。
うまそうな粽子を買ってきてもらうが、思いっきり食べられないのが悲しかった。(でも夜食においしくいただいた)
 高速道からぼーっと眺めていると、モノトーンかセピア色のような風景が見える。観光客向けではない古い路地裏のような運河に古い小船、崩れ落ちそうな家が点在している。
 やはりここは江南だ。車から眺めるしかできないし、へろへろに内力で抵抗しつづけているので写真も撮れなかったが、その風景は心に焼き付いている。今度はじっくり訪れたいものだ。

 右マップの拡大画像の緑線が陸路、紫点線が海路である。右下にある「象山」地区では現在、央視「神G侠侶」が撮影中である。いずれはここにも映画村ができることだろう。

 嘉興を出てからいつのまにか眠っていたらしく、次のサービスエリアについていた。皆疲れて眠っている人も多かったようで、ここがどこのサービスエリアなのかもよくわからない。小さなみかんを売っていた。
出発する時におっちゃんが「あと100キロくらい」といったような気がする…。
 おっちゃんが寝ないで景色を見ろとか言っているらしい。お願いだから寝かせてください。

 うとうとしてから目がさめると、となりに豚満載のトラックが走っていた。目が合った。まだ着かない…寝よう。

 15時になる頃、寧波に到着。しかしおっちゃんは港の場所は知らないらしく、何回も聞いて車を走らせる。
16時前になってやっと港に到着。9時間400キロ近くの道のりであった。料金は約1600元を7等分なので安いといえば安い。しかし疲れるから次はやめようと誓った。

 おっちゃんとわかれて間もなく出航するフェリーへと急ぐ一行。潮風はひどく冷たく吹き荒れている。海は茶色くにごっている。
 事前の情報によると、このフェリーが着く舟山の港からさらに東へいったところにある沈家門の港から桃花島行きの船が出ており、最終が17時発らしいのだ。17時で終わりならまず間に合わない。しかし、いけるところまで行こう!とフェリーに乗り込んだ。料金は11.5元(約150円)。
 フェリーは16時10分に港を離れ舟山へ。客室に入り風を避けることができると、ほっと一息つけた。
 そこそこの大きさの船だけあり、売店もある。暖かいつくね?入りのスープやおやつの定番の種などを売っている。
 しだいに暮れていく外の景色を見つつ、桃花島へ今日たどり着けるのか不安になりながらの船旅。いざとなったらジャパンマネーを駆使して漁船をチャーターしてでも桃花島へ渡ろう!などと話しているうちに舟山の港に近づいた。近くには軍港なのか駆逐艦が停泊している。あれはチャーターできまい…。

 フェリーからおりると時刻は17時。とにかく沈家門へと向かうべく歩いていくと、タクシーの運ちゃんが数人で客の取り合いになる。交渉している間も惜しいので、2台に分乗してすぐ移動。
 やはり桃花島行きの船はすでに無く、沈家門で泊まるようにとタクシーの運ちゃんが勝手にホテルに電話をかけはじめる。いいホテルと港近くの普通のホテルのどちらがいいかというので、港近くのホテルにすることにした。
 この運ちゃん、日本人を見るのは初めてだという。そろそろ日本人の未知の領域へとやってきたということだろう。

 船着場に立ち寄り、明日1番の桃花島行きは7時らしいのを確認してホテルへ。予想外に泊まることとなったホテルは「東海岸賓館?」。最初ぼったくろうとしたのか一人480元とかいってたが、交渉の末正規料金に。
 部屋に入ると絨毯はタバコの焼け焦げだらけだが、なんとか落ち着いた。
 桃花島へは明日の朝行くと決まったら、夕食である。
 近所には食べられる店など見当たらないので、ホテルのとなりに併設されているレストランへ入った。
 このレストランではメニューとかはないので、陳列している料理を見て注文する。中にはなんなのか判別できないものもあり、おっかなびっくりだ。
 寒かったこともあり鍋を2種類注文した。

一路順風
砂糖をかけたキュウリ
 冬瓜などの野菜が入った鍋は、どちらもたいへんに美味しかった。あいかわらず名前は覚えていないが…。
ここでは鍋を煉炭か豆炭のようなものを使って火にかけているので、煙が目にしみます。
 縁起かつぎとたのんだ「一路順風」という料理は、エビやきのこ、セロリなどの炒め物を三角の揚げたパンで囲っている。なぜ「一路順風」なのかはわからない。
 一見なんの変哲も無いキュウリが出てきたとおもったら、塩でなく砂糖がかかっていた。これにはさすがに皆あまり箸がのびなかったようだ。
 小型の包子に、甘辛く煮付けた肉と野菜をはさんで食べる料理は絶品でした。
 画像にはないですが炒飯もなかなかでした。このときは小さな茶碗にとりわけてもらいました。値段も昨夜の食事と大差ないもので量もたっぷりあり満足いく夕食となりました。

 宿に戻る際、これも併設しているコンビニ(雑貨屋)に寄り朝御飯などを仕入れる。これらの買い物は使いにくい100元札を両替する目的もある。
 蜂蜜入りの緑茶とかがあったので購入。思いのほか味はよかった。
店でテレビがついていてちょうど天気予報が映っていたが、天候がちょっと心配だ。だがここまでの苦難を乗り越えてきた我々である。たとえ雨が降ろうと雪になろうと必ずたどりついてやろう!と決意は揺るがなかった。

 先に持ってきていた海外用携帯から、今夜泊まるはずだった桃花島のホテルに連絡したら、キャンセルにはならず明日の朝きてくれればいいとのことを聞いていたので、安心して休むことにする。
 ついついテレビの武侠ドラマに見入ってしまうが、明日に備えて早めにベッドに入った。

 さあ明日こそは念願の桃花島上陸である。雨でもいいがまた霧で船がでないとかはやめてほしい…。

 第3幕へつづく…。             第1幕










恐るべし奇門遁甲陣!


嘉興のサービスエリア


上海から桃花島までの行程(クリックで拡大)







舟山行きフェリー


















沈家門のホテルと併設のレストラン





蜂蜜入り緑茶と海外用携帯

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