東瀛七侠暴れ旅(なんやっちゅーねん!)

この旅は日本武侠迷として初めて(?)聖地・桃花島へ踏み入れんとした七人の好漢女侠と、
タクシーのおっちゃんをはじめとした中国で出会った暖かい人たちの冒険大活劇である!(ちょっと違うかもしれない…)

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東瀛七侠
空心菜双侠(空心菜姑娘&弟弟小侠)-関東
魯達兄弟、白狐兄弟、林姑娘、えまの姑娘、八雲慶次郎-関西
2005年1月8日前半 第三幕
 疲れもあってかぐっすりと眠り、そして6時に起床した。
 冷え込んではいるが天気は予想よりずっとよさそうに見える。ホテルのロビーで寝ている人もいたが、まあ気にしないでおこう。
 我々は期待に胸を膨らませて、まだ明けやらぬ沈家門の町へと踏み出した。今日は昨日までと違って元気一杯である。

 ホテルから歩いて数分で桃花島行きの船が出るターミナルに到着する。7時発と思っていたが、冬季の時刻は違っていたようで、始発が7時20分であった。
 沈家門と桃花島を結ぶ船は3隻あり「金庸号」「桃花島号」と高速艇の「神侶1号」がある。高速艇だと20分、普通ので35分の船旅だ。
 改札が開くまで皆思い思いに周囲を散策してまわった。
 私は売店で雑誌を見ることにした。天下畫集がないかと思っていたのだが売っておらず、かわりに違うものを発見。武侠小説の雑誌が2冊あったので思わず購入。1冊4.8元(約62円)だった。
 内容は温瑞安や梁羽生などの既存の武侠小説や雑誌オリジナルの連載武侠小説、イラスト、コラムなどが載っている。
 忍者特集とか怪しい記事もあるが、イラストが見事だし武侠物に関するニュースなども載っていて是非購読したいぐらいである。ちなみに月2回発売のようだ。

武侠雑誌の表紙

連載武侠小説とイラスト



 しばらくして改札が開き、いよいよ乗船開始だ。
 乗り込むのは「桃花島号」だ。
 船に入るとスーツケースなどの大きい荷物は、客室に入れずに外に置いておくように船員にいわれた。どうや客室に大きな荷物をもっていくと別料金をとられるらしい。たしかに昨日のフェリーにくらべると船も小さく客室も狭い。
 間もなく船は港をはなれ桃花島へと動き始めた。

 天気はよく風は冷たかったがとても清々しく、昨日までの苦難が嘘のような快適なスタートだ。
 早く着かないかとそわそわしていたが、客室のテレビで映画を流し始めたので見ることにした。
 映画は「急凍奇侠」(1989年・邦題・タイム・ソルジャーズ〜愛は時空(とき)を超えて〜)というユン・ピョウ主演のものだった。なかなか面白く笑いながら見ていたが、乗船時間は35分だけ…残念ながら途中までで終了した。

桃花影裏飛神劍 碧海潮生吹玉蕭
 そしてついに、桃花島に到着!!
 港の建物は立派なものが現在建設中で、途中の道はでこぼこの工事中のところばかりだった。
 さっそくタクシーで宿泊する「桃花賓館」へとむかう。これまでの行程でもそうだったが、道路はどこも立派で4車線あるところもたくさんある。ただ信号機はあったりなかったり。人も車も適当に横断している。とりあえず事故だけはやめてほしい…。
 ホテルまでの道も広々として対向車もほとんどなかった。観光シーズンではないこともあるのだろうが、さみしいくらいだ。島民にとっては普通なのかもしれないが。

 「桃花賓館」は昨年の7月にオープンしたばかりの新しいホテルだ。チェックインしていると日本語をしゃべる人が登場!日本人かと思いきや旦那さんが静岡の人だという中国人のおばさんだった。
 すぐに桃花島をまわりたいところだが、明日はさすがに陸路を上海までというのはしんどいので、普陀山から飛行機に乗るために情報収集をしなければ。
 桃花島の旅行社のひとにホテルから聞いてもらっていると、ホテルにわざわざ来るという。すこしして恰幅のいいおっちゃんが徒歩で登場。飛行機だけでなく桃花島の観光についても話してくれた。そして徒歩で帰っていく。
 
 荷物を置いたら、さあ出発だ!準備万端のつもりだったが、デジカメの交換バッテリーを持っていくのを忘れていたのをあとになって気づく。一生の不覚。
 それはともかく皆ワクワクしながらホテルをでた。桃花島のメインストリート?につながる三叉路に、島民の足にもなっている乗合バスがたいてい止まっているので、それに乗り込む。行き先が決まっているわけではなく、乗った人の目的地に行ってくれる。料金は大体3元(約40円)前後だ。
 バスは射Gデザインのものもあり、我々は2パターンのものに乗ることが出来た。


桃花島マップ(クリックで拡大)
 最初の目的地は、央視「射G英雄傳」の撮影の時つくられたセットなどがある「射G英雄傳旅游城」だ。ここは桃花島の北西の端に位置している。
 乗合バスはのどかな田舎の風景のなかを、時折島民をひろったりして走る。
 しばらくゆくと山の上に建物がみえ隠れしてきた。そして…。

「射G英雄傳旅游城」城門

 城門からしてドラマで見たような気がする!
 はやる気持ちを押さえてチケットと案内マップを買い、土産物屋をのぞいてみる。「九花玉露丸」でも売ってないかと期待したのだが、残念ながらなかった。
 入場料は38元(約490円)で案内マップが2元です。
 シーズンオフということもあり、開いている売店も少なくレストランらしき「酔仙楼」も営業していなかった。
 まず城門にはいると目前に牛家村の門が!
 その横に城内を乗せて回ってくれるらしい蒙古馬がいた。あんまりおとなしいので、作り物かと思ったくらいだ。
 城門の上にも登れるようなのでさっそく駆け上がる。なかなかの景色に撮影開始。ふと見ると城門の屋根裏に干物みたいのが干してあった。みんなこれは洪七公のものだと断定。
 城門を降りると「射箭場」があったので、さっそくチャレンジ!よくみると的より鳥の絵のところにすごい数の矢の跡がw
 なんとか何本か的に命中させ面目を保つ。当たった本数でなにかくれるようなことを書いてあったのだが、シーズンオフではなにもくれないみたいだ…。
 牛家村の門を入ったところの家には、ドラマの撮影のときなどのパネルがたくさん展示されていた。他では見られないかもしれないようなスナップもたくさんあり、見ごたえ充分である。
 土産物屋を冷やかし、曲三酒店や楊鉄心の家を見て、モンゴルのパオでだーはん気分にひたった後は、金庸老師の筆跡による桃花島の石碑のまえで記念撮影です。
 ああ、ついにここにたどり着いた!まさに感無量です!桃の花は造花だけど、この際気にしません!

 湖越しにみえる臨安の街や帰雲荘などを見ながら、まずは小高い山の上へ。上には積翠亭があるが、ここは撮影で使われたものではなかった。しかし、眺めはすばらしい。
 さらに進むと南帝寺が見えてくる。セットというだけでなくちゃんと仏様がまつられている。旅の無事を祈りつつさらに進む。下り坂を景色を楽しみつつ歩いていくと、黄薬師庄についた。これはドラマにもでてくるものだ。
 黄蓉楼はドラマそのままで、見上げれば黄蓉が二階から顔をのぞかせていそうだ。かわりに私が二階からのぞいてみた。黄薬師にてぃえ〜とかいったら瞬殺されそうである。
 黄薬師の部屋にゆくと、奇門遁甲関係の図が壁に貼られている。そんな中に例の玉蕭が!お土産にほしいところだが、店には売ってなかった。
 馮氏の墓は表こそドラマとは違うが、内部は撮影されたものであった。入り口もドラマとは違うものの開閉できるすぐれものだった。
 このあたりからバッテリーが切れて、写真があまり撮れなかった無念である。
 帰雲荘では、射Gや天龍八部のドラマに出てきたところがあちこちに!郭靖と楊康が義兄弟となった回廊もそっくりそのままです。思わず義兄弟の契りを!と思いましたが、縁起悪そうなので却下…。
 ここまでまわってきて湖のほとりに出て一休み、一働き。
 射G城のなかでは所々に石の灯篭が置かれていて、よく見るとそこから音楽が流れてきていました。央視の射GのOPEDや過去のドラマなどのテーマ曲です。
 「天地都在我心中」が流れてくるとついつい口ずさんでしまいました。ドラマ撮影地で聞く歌はまた格別です。
 山の上の景勝地まで登るのはさすがにしんどいし時間も限られるのであきらめ、最後に臨安の街を通り抜けることにします。
 が、おりしも臨安の街はオンシーズンにむけてか改装中で壁などを塗りなおしているところではシンナー臭くてたまりません。シーズン中ならそれらしい街並みが見られたかと思うとちょっと残念です。
 店なども普段はもっとあいてそうなんですが、このときはわずかでした。そんななかやっと射G城らしい土産物を売っている店を発見。
 央視・射Gの人物写真がプリントされたパネルやマグカップなどがけっこうな値段で売られています。滅多にない上客とみたか、トゥナイトなるみみたいな声の店員は携帯で連絡して、他の店からもパネルを取り寄せてきた。
 小さいパネルは1枚あたり20数元したものを15元に、さらにまとめ買いで14元に値下げして購入。大きいパネルは40元を20元に値下げしていた。
 私は郭靖に老頑童@サメ、江南七怪をセレクト。(みんな無事に持ち帰ったと思いきや、老頑童が割れていた…残念だ)
 この店では、貸し衣装や剣なども置いていて写真をとったり出来るようだ。ドラマそのままの衣装を着られるのなら喜んでするが、ほとんどが京劇風のものなのであまりそそられない。魯達兄弟は、なるみ店員にしきりにヨロイを着るようにすすめられていた。
 時間はすでに昼時でもあり、荷物もできたので一旦ホテルにもどり昼食にすることにした。最後にがっちりと案内マップを武侠迷買いして帰る。
 今回見られなかったところや閉まっていたところ、そして黄薬師船などにも次は見たり乗ったりしたい。必ずまた訪れようと思いながら射G城をあとにした。次は馬に乗ろう。
 乗合バスはいつも親切にホテルの玄関前まで送ってくれる。なんか至れり尽せりだ。
 荷物をおき出かける準備をしてからホテルの横にあるレストランへ。ここも実物?を見ながら料理を選ぶ方式だ。水槽に魚や蟹、蛸などが入れられていたが、他の料理よりは値段が高い。これらを選んだとしたら、料理法を指定して作ってもらえるはずだ。

トマトと卵の炒め物

杏餡?の包子
 定番のトマトと卵の炒め物や炒飯のほか、島だけに海鮮素材の鍋などなかなかの美味でした。部屋の暖房はあまり効かないものの、料理でお腹は温まりました。
 お茶がほしいと頼むと、コップにお湯を入れた後「桃花佛茶」というお茶の葉を、茶筒から直接いれてくれました…アバウトだ。このお茶はほとんど色がでませんでした。

 腹ごしらえもすんで、昼からは射G城とは反対方向にある景勝地・桃花寨へと向かいます。


  第4幕へつづく…。             第1幕 第2幕

沈家門の朝の風景

ここから桃花島へ!

桃花島行きの船の時刻表(冬季)


桃花島号

桃花島号の客室

桃花島の港

桃花賓館


桃花島での足となる乗合バス
























「射G英雄傳旅游城」の写真は多いので別のページへ
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「射G英雄傳旅游城」マップ(クリックで拡大)










土産物のパネル(小)





















レストランのある建物。
カラオケやマッサージなどの施設もあるようだ。

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