内功を身につけよう!

内功修練法


…のようなものw
其の2
其の1

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武侠小説で、偶然や幸運で強大な内力を得て一気に達人にも勝る強さになる登場人物がでてくるのをご存知でしょう。
また、内力が伴わなければ真の強さとはいえず、すぐにザコ扱いにされてしまいます。
内功の優れるものは、武功の威力はもちろんのこと防御力も強くなり、傷を負っても早く治り、毒をうけても排出できたりします。
さらに内力が強くなると、自然と軽功の能力もあがり、他に聴力などもアップするといいます。
ここでは、まさに万能といえる「内功」の修練法について書いていくことにします。

とはいえ、小説の主人公のようにはいきませんのであしからず(^^;

内功とは?
」という生命エネルギーを、呼吸や姿勢、イメージと合わせて体内をめぐらせて鍛錬することにより、気の力を高め心身を強くする技法です。一般的には「気功」と呼ばれています。
気功と呼び方が統一されるまでは、内功や導引、吐納などさまざまな呼び方がありました。
というのも、道教、仏教、儒教や武術、医術などさまざまな流派があり、技法も違っていたからです。
ここではあくまで「内功」と呼んでいくこととしますw


4.いよいよ九陽神功の習得?
そう簡単にできたら小説の中達人たちの立つ瀬がありません(^^;
内功の修練には時間がかかり、大成するには何年も何十年もかかるといわれています。
また修練した内力は何もせずにいても維持されているというわけでなく、修練を怠れば失われてしまうものです。
つまりは何事も継続が大事というわけです。
前に書きました修練法や小周天などを続けるには、現代の我々の生活は良い条件を整えるのが難しいでしょう。しかし、続けなければ「気の道」はできず内功といえるほどの気を養うことは不可能です。
ならばどうするか。
環境に左右されないくらいにシンプルな方法で行うことです。
気を全身にめぐらせる方法は効果が大きいですが、高い集中力がないと持続できません。
複雑に入り組んだ道は迷いやすいものです。逆に真っ直ぐの一本道なら迷うことはないでしょう。だからまず一本道の方法からはじめます。
ならば最初からそれを書いておいてくれ!と思われるかもしれませんが、これまでのことを一度でも試してみた方とやっていない方では、効果が全然かわってきます。
「睡功」で「少林派の内功修練時の3つの要領」のひとつ「リラックス」すること「呼吸は深く均一に」することを修練しています。試した方は「集中する」のはなかなか難しいことがお分かりだと思います。そこでこれから「集中しやすい」方法をすることにします。
集中しやすい方法のひとつは、ほとんど体を動かすことなくただただ一本の気の道をイメージするだけのもの。もうひとつは一定の動きをすることに集中し、気にはさほど集中しないでいいもの。
本来体を動かせば気が散ってしまいやすいものですが、気を集めるのに適した動きもあります。太極拳や八段錦などの動きがそれです。
今回は前者の方法を説明します。

正経十二経脈」のひとつ「手太陰肺経」を修練しましょう。

まず丹田に集中し、そこから気を鎖骨の少し下の「中府」へと導くようにイメージします。ルートを目で追ったり手でなぞってみるのもいいでしょう。左右どちらの手でもかまいません。
「中府」からすぐ上で鎖骨の直下にある「雲門」へ気を導き、腕の内側を沿っていき腋の下から10p弱のところにある「天府」を通り、3pほど下の「侠白」を通ります。
次に肘関節の内側のシワの親指側端にある「尺沢」に導き、前腕の親指側中ほどの「孔最」を通り、手首の「列缺」「経渠」「太淵」「魚際」をぬけて親指先の「少商」まで導きます。
「少商」に気を感じたら、逆のルートで気を丹田に戻します。
この修練は慌てずゆっくりと行い、常に気が動いていくのをイメージします。
それぞれの経穴で気を感じるのを確認するのもいいでしょう。
これを繰り返すことで「手太陰肺経」の気の道ができます。
気が指先まで巡るとそこが脈打つのを感じることがあります。
気によって細胞が活性化し、毛細血管がひらき末端まで血液が送られるためです。血行がよくなるということだけでも、この修練が有用であることがわかると思います。足の経脈に気を巡らせるなら冷え性にも効果があるでしょう。

なおこの内功修練法は、かなり私の我流がはいっているので間違っていることも多々あるかもしれませんのでご了承ください。詳しい方はぜひ方法をご教授くださいませ。


Q.修練するのに順序とかあるの?
気は体の中を時間に連れて回っています。まえに書きました「正経十二経脈」を自然とめぐっているのですが、内力を高める回り方をしているわけではありません。
それを内力がアップするようにコントロールして回すのが内功の修練です。
コントロールするカギとなるのが陰陽五行説です。

正経十二経脈の陰陽五行
「陰」と「陽」が調和することが大事なのはなんとなくわかると思います。
「木、火、金、土、水」の五行には「相生」と「相剋」というものがあり、「相生」は相手を育成、保護、援助する働きをいい、「相剋」は相手を抑える、支配する働きをいいます。
「相生」の例・「水」のあるところに「木」は育つ。
「相剋」の例・「水」は「火」を消してしまう。

「相剋」が必ずしも悪いわけではありませんが、内功の修練には「相生」する順序を選ぶのがいいでしょう。
上で紹介した「手太陰肺経」は「陰」の「金」に属しています。
「正経十二経脈」の陰陽五行はそれぞれ次のようになっています。
五行
足厥陰肝経 足少陽胆経
手少陰心経 火(君火) 手太陽小腸経
手厥陰心包経 火(相火) 手少陽三焦経
足太陰脾経 足陽明胃経
手太陰肺経 手陽明大腸経
足少陰腎経 足太陽膀胱経
とすると「手太陰肺経」の次は「陽」の「水」を修練してやると最も効果が高くなることになりますから、「足太陽膀胱経」の修練がよいことになります。
侠客行の一文に「そもそも内功の修行は、目的が健身であれ武術であれ、陰陽を交互に配して行うものだ。『足少陰腎経』を終えたのち、『足少陽胆経』を修練すれば、少陰・少陽の二脈が融和し、体力は徐々に増す。」とあります。
火(相火)については陰陽のみ考えて、火(君火)と交代でやるということでいいんではないかと…。
六脈神剣を思って手の陰陽の六脈だけするのは五行的には望ましくないです。
内功を極めないと六脈神剣が使えないのは、こういうこともあるからかもしれませんね。
他の経脈の経穴については皆さんで調べてみてください(^^;;;

次回は最後に「小周天」について書きたいと思います。

つづく(いつになることやら…)

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