内功を身につけよう!

内功修練法


…のようなものw

其の2へ

戻る

武侠小説で、偶然や幸運で強大な内力を得て一気に達人にも勝る強さになる登場人物がでてくるのをご存知でしょう。
また、内力が伴わなければ真の強さとはいえず、すぐにザコ扱いにされてしまいます。
内功の優れるものは、武功の威力はもちろんのこと防御力も強くなり、傷を負っても早く治り、毒をうけても排出できたりします。
さらに内力が強くなると、自然と軽功の能力もあがり、他に聴力などもアップするといいます。
ここでは、まさに万能といえる「内功」の修練法について書いていくことにします。

とはいえ、小説の主人公のようにはいきませんのであしからず(^^;

内功とは?
」という生命エネルギーを、呼吸や姿勢、イメージと合わせて体内をめぐらせて鍛錬することにより、気の力を高め心身を強くする技法です。一般的には「気功」と呼ばれています。
気功と呼び方が統一されるまでは、内功や導引、吐納などさまざまな呼び方がありました。
というのも、道教、仏教、儒教や武術、医術などさまざまな流派があり、技法も違っていたからです。
ここではあくまで「内功」と呼んでいくこととしますw


1.まずどうすりゃいいの?
小説の中で、内功の修練を邪魔されて内息が暴走し危険な状態になったりしている場面が出てきます。
普通の人が、修練中に邪魔されたとしてもそんなことにはならないと思いますが、せっかく集中していた気が散ってしまい、その修練が無駄になってしまいます。

少林派の内功修練時の3つの要領
1.筋肉をリラックスさせる。体を緊張させていると気は通り難くなる。
2.心静かに集中する。雑念に捕われていると気も乱れる。
3.呼吸は深く均一に。せわしなかったり途切れ途切れではだめ。
3つの要領は1つとして欠けてはいけない。3つに注意して修練すれば自ずから気は練り上げられていく。

まずは修練する環境を整えるのが大事です。
なるべく静かなところで、邪魔が入らないところを選びます。
電話などにも邪魔されないようにしておくのがいいでしょう。
風通しもよければなおいいです。
服装はゆったりとしたもので、体を締め付けないようにします。
空腹すぎず満腹すぎないときにしましょう。空腹だと集中できず、満腹だと寝てしまいます(^^; お酒もさけましょう。
風呂の直後や修練の直後の入浴もよくありません。


2.何から始めたらいいの?
任我行の吸星大法は実に特殊な内功です。
通常ならば「丹田(たんでん)」に気を集めるところを、「丹田」を空っぽにすることがまず第一歩になるのですから。
これから紹介していく方法は通常(^^;ですので、「丹田」に気を集めなくてはいけません。

意守丹田
「丹田」というのは「臍下丹田」といわれるように、ヘソの下約3センチの奥にあるとされています。
「丹田」は「気の貯蔵庫」の役割をします。(気海穴とも呼ばれます)
修練中はおもに「丹田」に意識を集中することになります。これを「意守丹田 」といいます。
修練の時は、体の力は抜いてリラックスするが、意識は集中してある程度の緊張を保つということになります。
意識しにくいときには、丹田のあたりに手を置いてみるのがよいでしょう。

呼吸法
呼吸は鼻で行い、深く、ゆっくり、長くします。でも無理やり長くしたりはせずに自然な呼吸にしましょう。
その他の具体的な方法は後で紹介します。

丹田に集中することと呼吸の注意点がわかったら、次は…寝てみますかw


Q.なんとか脈とかってなに?
とくに名前を覚える必要もないんですが、気分をだすためにちょっとだけ説明します(^^;

陰陽五行説と六臓六腑
「陰陽五行」というのは聞いたことがあるとおもいます。
「陰」と「陽」のふたつと「木、火、金、土、水」の五行です。
「陰陽」は、自然界の影と光ですね。
「木、火、金、土、水」は「植物、熱、鉱物、土壌、液体」をあらわしています。
お酒などを飲んで「五臓六腑にしみる」とかいう「五臓」は五行に対応した臓器のことです。
「肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓」の5つです。こちらは「陰」に属します。(ここでの脾臓は膵臓を意味します)
対する「腑」は「胆嚢、小腸、胃、大腸、膀胱」で、それぞれ対応する臓器が助け合っています。こちらが「陽」に属します。
「肝胆相照らす」という言葉はここからきています。
では六番目の腑は?
「三焦」という東洋医学において仮定されているものが入ります。
体温を維持するためのものと考えられています。
その「三焦」に対応する六番目の臓は「心包」といい、心臓を守るための袋のような架空の臓器とされています。
なぜ架空の臓器とかの話をするかというと「経絡」に関わってくるからです。

経絡
「経絡秘孔をついた。おまえの命はあと3秒だ」
北斗の拳でたびたび登場する「経絡」という言葉は知っているでしょう。
「経絡」というのは「気の通り道」のことです。
「経絡」の「経」は「経脈」のことで、「絡」は「経脈」の間をつなぐ(連絡する)細い「絡脈」のことをいいます。
「経脈」には主に「正経十二経脈」と「奇経八脈」があります。
六臓六腑のそれぞれからはじまり気を循環させている経脈が「正経十二経脈」です。
このうち手につながる6つの経脈を「手三陽経」「手三陰経」と呼び、足へつながるものを「足三陽経」「足三陰経」といいます。
天龍八部にでてくる「六脈神剣」の「六脈」とは「手三陽経」「手三陰経」のことです。


3.寝るって!?内功修練するんじゃないの?
射G英雄傳で、郭靖が全真教の馬トに息の吸い方と眠り方を教わり、知らず知らずに内功を身につけるシーンが出てきます。
馬ト「思い定まれば、情は忘る。体虚なれば、気は運る。
心死すれば、神は活きる。陽盛んなれば、陰は消える

寝る前には、必ず頭の中を空っぽにして澄んだ状態にせよ、ほんの少しのことも考えてはならぬ。それから横向きに体を少し丸めて寝る、鼻でゆっくりと息をする、心の中を乱さず、外へ気が散らぬようにな
これを「睡功」といい、眠りながら気を養い身につけるものです。
もともと寝てしまうと眠っている時間は何もできないところを、内功の呼吸法を
寝ているうちにも自然と行うようにすることで気を養うという「内功睡眠学習法」です。
ただ普通の人は雑念が多いため、寝ている間呼吸法が維持できず簡単に行くものではありません。「頭の中を空っぽに」というのはかなり難しいことです。
ここではまず気を丹田に集めるための「養気功」のやり方を書きます。
これは本格的な内功修練をするまえに行うと効果的なものです。約15分〜30分やります。

養気功
体を右側を下にして横になります。逆でもいいですが、心臓を圧迫しないほうがよいと思われますので、右を下にして寝ます。
次に右手を開いて右耳にあてます。肘枕ではなく肘を立てずに手枕のようにします。
左手はかるく丹田の上に起きます。
右足は自然に伸ばし、左足は膝をまげて右膝裏に左足首のあたりがくるようにのせます。
背はやや丸めて全身の力を抜きます。
ゆっくりと鼻で息をして、しばらくは呼吸をすることに専念します。
意識は丹田に集中しますが、意識しすぎると呼吸が乱れますので、眼を閉じたまま左手の下にある丹田を見ているイメージをするだけでいいです。
しばらくすると体がリラックスして呼吸も楽になります。
丹田のあたりも暖かく感じるとおもいます。最初は、置いた手のぬくもりだけですが、しだいに表面ではなく奥のほうに暖かさを感じるようになってきます。
よくわからないという場合もあると思いますが、気は丹田に集ってきているのは間違いありませんので大丈夫です。
リラックスできたら、次はより丹田に集中させます。
自然呼吸だったものを、吸った時に下腹をへこますようにします。吐くときは下腹の力を抜きます。これによりさらに丹田に意識が集中します。
慣れてきたら下腹の力を抜く時に、丹田から両足に意識を動かします。
丹田から足に、そして足の裏へと気が流れていくようなイメージをします。
最後に収式をします。ほかの修練法でもそうですが収式まできっちり行わないと修練が無駄になってしまうことがあるので注意しましょう。
ゆっくりと仰向けになりながら、右手を左手の上に重ねます。両手が丹田の上にきます。
ゆっくり両手をすくい上げるようにして首のあたりまで持っていきます。手のひらを上にして両手でボールをもっているようなイメージです。
手のひらを下にかえして丹田までおろし、両手で丹田の上をおさえて左右に数回回転させるようにさすり(マッサージ)ます。
この動作を数回繰り返します。

次は集めた気を体にめぐらす方法です。


Q.気の通り道ってどんな道?
知らない場所にいくのに地図があるのとないのとでは、大きな差があります。
気を体にめぐらす、といっても気がどこでもスムーズに通ってくれるわけではありません。
そんなとき道を知っていれば、随分楽に進むことができるでしょう。
前述したように 「経脈」には主に「正経十二経脈」と「奇経八脈」があります。
それぞれに陰陽があり、役割も違います。
「侠客行」では謝煙客が狗雑種にわざと道を誤らせようと、陰脈のみを修練させるシーンがでてきます。
通常は陰陽を交互に修練して調和を保つ必要があります。
「陽」が盛ん、と聞けば良いことのように思いますが、何事も行き過ぎはよくありません。

小周天
陰陽が分かれている経脈以上によく聞かれるのが、奇経八脈のうちの「任脈」と「督脈」です。
この二脈は体の中心線のそれぞれ腹側と背側を通り、円を描いて一つにつながっています。つまりこの円を一巡りすれば陰と陽を同時に修練することになり、内功の修練においてはもっとも重要な経脈といえます。
この二脈に気をめぐらすことを「小周天」といい、この修練を行うことで「仙人」へと近づくとされています。

其の2へつづく

戻る